PER・PBR・ROEの基本 — 3つの指標で企業を見る
はじめに
株式投資の入門書でほぼ必ず登場するのが PER・PBR・ROE の3指標です。それぞれ何を示していて、どう読めばいいのかを整理します。
PER(株価収益率)
PER = 株価 ÷ 1株当たり純利益(EPS)
「この株価は1年分の利益の何倍か」を表します。
例えば株価1,000円、EPS50円なら PER = 20倍。「今の利益が続けば20年分の利益に相当する値段で買っている」イメージです。
| PERが低い | PERが高い | |---|---| | 割安の可能性 / 成長期待が低い | 割高の可能性 / 成長期待が高い |
成長産業の企業は高PERになりやすく、成熟産業は低PERになりやすい傾向があります。同一産業内で比較するのが基本です。
PBR(株価純資産倍率)
PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)
「株価が帳簿上の資産の何倍か」を表します。PBR1倍未満は「解散価値以下」と言われますが、業種によって適正水準は大きく異なります。
- 設備・在庫が多い製造業は資産が多くなりやすくPBRが低め
- 人材・ブランドが主な無形資産型企業はPBRが高くなる傾向
ROE(自己資本利益率)
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100(%)
「株主から預かった資本でどれだけ利益を生んだか」の効率指標です。日本企業の平均はおよそ8〜10%程度とされており、15%以上は高収益とみなされることが多いです。
ROEはデュポン分解できます。
ROE = 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ
ROEが高くても、それが借入による財務レバレッジで稼いでいる場合と、本業の利益率が高い場合では意味が異なります。
3指標の関係
| 指標 | 見ていること | 比較の基準 | |---|---|---| | PER | 利益に対する株価水準 | 同業他社・過去の自社PER | | PBR | 資産に対する株価水準 | 同業他社・1倍(解散価値) | | ROE | 自己資本の使い方の効率 | 同業他社・加重平均資本コスト |
指標の限界
これらの指標には注意点があります。
- 赤字企業はPERが計算できない
- 業種によって適正水準が異なるため異業種比較は難しい
- 単年度の数字は一時的要因で歪むことがある
- 財務諸表は過去の数字であり、将来の業績は反映されない
指標は「比較の出発点」であり、それだけで投資判断を下すものではありません。
まとめ
- PER: 利益の何倍の株価か。同業他社との比較が基本
- PBR: 純資産の何倍の株価か。1倍未満は解散価値以下
- ROE: 自己資本の収益性。高いほど効率的だが借入の影響に注意
- 3指標はセットで使い、同業他社・過去推移と比べることに意味がある
免責: この記事は教育目的の一般情報であり、特定の投資を推奨するものではありません。投資判断は自己責任で行ってください。