ちょうぼっち開発記
前回から何が変わったか
前回(#01)では、複式簿記ベースの仕訳入力と帳簿の自動生成ができるところまで進めた。今回はその続きで、確定申告書のPDF出力に取り組んだ記録を残す。
帳簿が作れても、申告書に手で転記するのでは結局手間がかかる。どうせなら「ボタン一発でPDFが出る」ところまで持っていきたかった。
国税庁の書式を調べるところから
確定申告書には書式が決まっている。青色申告決算書と確定申告書Bのふたつが主な書類で、国税庁のWebサイトから書式PDFをダウンロードして眺めた。
正直、最初は何がどこに入るのか全然わからなかった。勘定科目と申告書上の項目の対応関係がひと目ではわからないし、書式の注釈も難解だ。ここからコードを書くとなると途方に暮れる。
AIとの対話で設計を進めた
ここでAIが役に立った。「青色申告決算書の収入金額欄には何を入れるか」「売上原価の計算式はどうなっているか」といった素朴な疑問をAIにぶつけながら設計を進めた。
専門家に聞くほどでもない細かい確認事項を、気軽に何十回でも聞けるのがAIコーディングの良さだと思っている。一人でやっていると詰まったときの相談相手がいないが、AIはいつでもつきあってくれる。
実装はPDFのフォームフィールドに値を流し込む方法を選んだ。書式PDFに予め入力欄を定義しておき、帳簿の集計値をマッピングして出力する仕組みだ。どのフィールドにどの値を入れるかのマッピング定義が一番時間のかかった部分で、ここもAIと確認しながら一つひとつ埋めていった。
つまずいたこと
PDFのフォームフィールド名が書式によってバラバラだった。同じ「売上高」でも、書式の年度や書類の種類によってフィールド名が異なるため、年度ごとにマッピングを管理する仕組みが必要になった。
また、令和6年分と令和7年分では書式が微妙に変わっており、両方に対応するための分岐処理を入れた。来年以降も書式が更新される可能性があるので、追いかけ続ける必要がある。これは市販ソフトが毎年アップデートしている理由のひとつだと実感した。
できたもの
- 青色申告決算書(一般用)のPDF出力
- 確定申告書BのPDF出力
- 消費税簡易課税申告書の作成サポート
- 令和6年・令和7年の書式に対応
ボタンを押すと帳簿の数値が自動で入った申告書PDFが出てくる。自分で使ってみて、転記作業がなくなるのはかなり楽だと感じた。
一人で作ることの現実
ここまで書くと順調に聞こえるかもしれないが、実際には何度も行き詰まっている。コードのエラーで半日消えることもあるし、設計の方向性が間違っていて作り直しになることもある。
それでも続けられているのは、AIがそのたびに一緒に考えてくれるからかもしれない。「このエラーは何が原因か」「この設計で問題はないか」を逐一確認しながら進めると、一人でも前に進める。
次にやること
確定申告対応はある程度形になったので、次はデータのインポート・エクスポートまわりを整備したい。他のソフトからの乗り換えをスムーズにすることと、バックアップの手間をなくすことが目標だ。