家事按分の考え方——自宅兼事務所・車・通信費の割合はどう決める?

公開: 2026-05-15
家事按分確定申告個人事業主節税経費

自宅で仕事をしている個人事業主にとって、「家事按分」は避けて通れないテーマです。家賃や光熱費の一部を経費にできる——とは知っていても、「どれくらいの割合にすればいいのか」で迷う人は多いと思います。

自分もそのひとりで、最初の確定申告のときは恐る恐る20%にしたものの根拠が曖昧でした。その後、考え方を整理してからは迷いが減ったので、共有してみます。

なお、税務の専門的な判断は税理士にご確認ください。ここでは一般的な考え方の整理です。

家事按分とは何か

事業とプライベートの両方に使う支出は、事業に使った割合だけを経費にできます。これを「家事按分」と呼びます。

たとえば自宅を仕事場として使っている場合、家賃の全額を経費にすることはできませんが、仕事に使っている部分の割合を経費として計上できます。

自宅家賃・光熱費の按分方法

最もよく使われる方法が「面積按分」です。

事業使用割合 = 仕事に使っている部屋の面積 ÷ 自宅の総面積

たとえば自宅が60平米で、仕事専用の部屋が12平米なら、按分割合は20%になります。

仕事専用の部屋がない場合は、「使用時間」で按分する方法もあります。

事業使用割合 = 週の仕事時間 ÷ 週の総時間

1週間を168時間として、そのうち仕事に使う時間が50時間なら約30%になります。

光熱費(電気代・水道代など)も同様に按分します。電気代は仕事部屋の使用時間で、水道代は面積で按分するなど、費目ごとに合理的な基準を使います。

私は最初、「どちらが有利か」という視点で考えていましたが、実際に重要なのは「説明できるか」です。合理的な根拠がある按分割合であれば、後から変更することもできます。

通信費(スマートフォン・インターネット)の按分

スマートフォンをプライベートと仕事の両方で使っている場合、業務使用割合だけを経費にします。

割合の決め方に決まった方法はありませんが、説明できる根拠があることが大切です。よく使われる方法としては、

などがあります。

私はある時期、1週間だけスマホの使用ログを記録して割合を算出しました。「だいたい業務が40〜50%だな」と確認できたので、それ以降は50%で按分しています。毎年同じ割合を使っていると変動が少なく説明しやすいです。

インターネット回線も同様に按分します。自宅でしか仕事しない場合、家のネット回線は仕事にも使っているので一部経費にできます。

車の按分

車を仕事にも使っている場合、ガソリン代・駐車場代・車検費用なども按分できます。

よく使われる方法が「走行距離按分」です。

事業使用割合 = 業務走行距離 ÷ 年間総走行距離

これを正確にやるには走行記録をつける必要があります。訪問先・目的・距離を記録しておくと根拠として使えます。

私は車をほとんど仕事に使わないので簡単なメモで済んでいますが、外回りが多い仕事の場合はきちんとした記録が大切だと感じました。

按分割合は高ければいいのか

「経費が多いほど税金が減る」は正しいですが、「合理的な根拠なく高い割合にする」のはリスクがあります。

たとえば自宅の家賃の70%を経費にするには、実際に70%を業務に使っているという説明が必要です。「節税したいから70%」では根拠になりません。

合理的な範囲で、説明できる割合を選ぶのが正解だと思っています。

記録の大切さ

按分割合を決めたら、その根拠を記録しておくことが大切です。

こういった記録があると、自分が後から確認するときも楽ですし、税務調査の際にも説明しやすくなります。

私はちょうぼっち(keiri.codese.net)で帳簿をつけていますが、按分した後の金額を入力するだけで科目別に整理されるので、確定申告の際に振り返りやすくなっています。

まとめ

按分は最初は難しく感じましたが、「自分が説明できるか」を基準にすると迷いが減りました。完璧な計算より、継続できる記録の仕組みを作ることのほうが長期的に重要だと実感しています。