消費税の申告と納付——期限は3月31日、48万円を超えると中間申告が始まる

公開: 2026-08-22
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2割特例が終わると納税額が増えます。金額の話は別の記事で書きましたが、実はもうひとつ変わることがあります。納税の回数です。

消費税には中間申告という仕組みがあり、一定額を超えると年に何度も納めることになります。2割特例で抑えられていた納税額が本来の水準に戻ると、この基準を超える人が出てきます。

申告と納付のスケジュールを整理しておきます。


確定申告の期限は3月31日

個人事業主の消費税の課税期間は暦年(1月1日〜12月31日)で、確定申告と納付の期限は翌年3月31日です。

所得税の3月15日とは違います。 ここは間違えやすいところで、私も最初は同じ日だと思っていました。消費税のほうが半月ほど後ろです。

税目申告・納付期限
所得税翌年3月15日
消費税翌年3月31日

期限が違うということは、手続きが2回あるということでもあります。所得税を出して終わりにすると、消費税を出し忘れます。

年税額48万円を超えると中間申告が始まる

前年の消費税の年税額(地方消費税を除いた国税部分)が48万円を超えると、翌年から中間申告が必要になります。金額に応じて回数が変わります。

直前の課税期間の確定消費税額中間申告の回数1回あたりの納付額
48万円以下不要(任意の制度あり)
48万円超〜400万円以下年1回前期確定額の6/12
400万円超〜4,800万円以下年3回前期確定額の3/12
4,800万円超年11回前期確定額の1/12

申告・納付の期限は、いずれも中間申告の対象期間の末日の翌日から2か月以内です。地方消費税(78分の22)もあわせて納めます。

48万円はどのくらいの売上か

ざっくりした感覚をつかんでおくと役に立ちます。

簡易課税の第5種(サービス業、みなし仕入率50%)で考えると、納税額は売上の消費税の50%です。年税額48万円になるのは、売上の消費税が約96万円、つまり売上が約960万円のあたりです。

2割特例なら納税額は売上の消費税の20%なので、同じ売上960万円でも年税額は約19万円で、中間申告の対象外でした。2割特例が終わると、同じ売上でも中間申告が始まるということが起こります。

第4種(60%)ならさらに低い売上で、第1種(90%)ならもっと高い売上で基準に達します。自分のみなし仕入率の区分で計算してみてください。

仮決算という選択肢

中間申告の金額は前年の実績で決まるので、今年の業績が落ちている場合は払いすぎになります。

その場合、中間申告の対象期間について仮決算を行い、実際に計算した消費税額で申告・納付することができます。前年より売上が大きく落ちた年は、こちらを検討する価値があります。

ただし、仮決算の結果がマイナスになっても還付はされません

任意の中間申告

年税額48万円以下でも、届出をすれば任意で中間申告(年1回)ができます。まとめて払うのが苦しい場合に、資金繰りを平準化する手段になります。

納付の方法

納付には複数の方法があります。

振替納税は一度手続きをしておけば毎回自動で引き落とされるので、納付忘れを防げます。振替日は納期限より後ろに設定されるため、資金繰りの面でも少し楽になります。

私は納付忘れが怖いので振替納税にしています。ただし口座残高が足りないと振替不能になり、延滞税がかかります。引き落とし日の前に残高を確認する運用は必要です。

中間納付は確定申告で精算される

中間申告で納めた分は、確定申告のときに中間納付税額として控除されます。二重に払うわけではありません。納めすぎていれば還付されます。

つまり中間申告は「年間の納税額を分割して前払いする」仕組みです。総額が増えるわけではありませんが、キャッシュフローの読み方は変わります

実務としてどう備えるか

  1. 消費税の期限は3月31日とカレンダーに入れる。所得税とは別の手続き
  2. 確定申告のときに、翌年の中間申告の有無を確認する。 年税額が48万円を超えていれば翌年は中間申告がある
  3. 納税資金を売上と一緒に分けておく。 預かった消費税は自分のお金ではないので、使ってしまうと納付時に困る
  4. 振替納税にするなら口座残高の管理も込みで

3番が実感としていちばん大事です。消費税は預かったお金を後で納める税なので、口座に入ってきた時点では自分の利益に見えてしまいます。2割特例が終わって納税額が増えると、この錯覚の影響も大きくなります。

私は帳簿上で預り分が見えるようにしていて、無料のちょうぼっちもそういう使い方を想定して作っています。

まとめ

数字は本記事執筆時点(2026年8月)の国税庁タックスアンサーNo.6137・No.6609に基づきます。個別の判断は所轄の税務署または税理士にご確認ください。


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